2018年5月8日火曜日

水上偵察機


数的劣勢の下、主要仮想敵である米国海軍との決戦に挑まざるをえない帝国海軍は正面戦力の不足を挽回するため偵察能力の向上に注力した。中でも重巡洋艦に搭載された水上偵察機部隊は「艦隊の目」として期待され、最新の機材と特に選抜された優秀な水上機搭乗員が配属された。太平洋戦争の全期間を通じて大規模な海戦の有る所つねに彼ら巡洋艦水上偵察機部隊の姿があった。帝国海軍においては偵察機は単機で飛行するのが通例である。彼らは孤独のうちに任務のため飛び立ち、その多くが沈黙を守ったまま消えていったのだった。誰に見られることもなく。

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