2021年5月19日水曜日

VIX TICK

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  • ファンドストラットのアナリスト、トム・リーは、滅多に見られない2つのシグナルが揃ったことで、強気相場をもたらすだろうと述べている。
  • 市場の恐怖指数である「VIX」は2日間で40%も急上昇し、「NYSE Tick Index」は2021年の最低水準まで急落した。
  • 過去のデータによると、VIXが急上昇すると「S&P500指数」も数カ月にわたって上昇する傾向があるとリーは言う。

ファンドストラット(Fundstrat)のトップアナリスト、トム・リー(Tom Lee)によると、株式市場の不安感を表す2つのシグナルの最近の動きは、市場に大規模な利益をもたらすものだという。

5月12日朝に公開したリポートでリーは、めったに起こらない2つのイベントが2021年5月11日に発生したことについて詳細を記し、それらは強気相場になるシグナルであることを説明した。

1つ目は、「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数が、10日と11日の2日間で40%も急騰したことだ。リーによると、このようなことは1990年以降、20回しか起きていない。

2つ目は、ニューヨーク証券取引所のティック・インデックス(NYSE Tick Index:アップティック銘柄数からダウンティック銘柄数を引いた値を毎秒計測した指標)が、11日には取引開始直後に多くの売りが発生したことで史上最低となるマイナス2069まで急落したこと。これまでにマイナス1800を割り込んだのはわずか10回だけだという。

リーは、これらの出来事は市場のパニックを示していることから、強気相場となるシグナルとみなすことができると述べている。このパニックは、投資家のスタンレー・ドラッケンミラー(Stanley Druckenmiller)の連邦準備制度理事会に関する警告や、マージンコール、あるいは単に「相場の下落」に関連している可能性があるという。

「多くの投資家は、5月11日のNYSE Tick Indexの急落やVIXの急上昇をネガティブなサインと見るかもしれないが、意外にもこれらは強気のシグナルだ」とリーは言う。

「まず、強気相場は『エスカレーターに乗って、エレベーターで落ちる』ということを覚えておいてほしい。つまり、強気相場では、株価は着実に上昇して、その後、急落する。従って、VIXが急上昇し、NYSE Tick Indexが大幅にマイナスになるのはポジティブであると読むことができる」

また、1990年以降、景気後退期を除き、VIXが40%急上昇した後の6カ月間にS&P500は平均10%のリターンを記録していると、リーは付け加えた。市場が景気後退期に突入しない限り、VIXがこれほど大きく急上昇するのは「単なるパニック・リセット」だとリーは言う。

NYSE Tick Indexがマイナス1800を下回った場合、S&P500はその後の6カ月間で平均22%のリターンを記録している。

これは株価が急騰するための絶好の状況であり、プルバック(トレンドとは逆方向の値動き)するまでにS&P500は6%近く跳ね上がって4400に達する可能性があるとリーは述べている。

「結論として、我々はVIXの急上昇とTick Indexの急落をキャピチュレーション(弱気相場での投げ売り)によるものだと見ている。そして投資家がテクノロジー分野からエピセンター(パンデミックの影響を最も強く受けた産業)の銘柄に関心を移していることを意味すると考える」とリーは述べ、旅行、飲食業、ホスピタリティといった産業の回復に連動する銘柄を集めたリストを紹介した。

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